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技術解説 回路シミュレーション(エミッタ接地回路)

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回路シミュレーション(エミッタ接地回路)

前回までに説明したトランジスタの基礎知識を応用してトランジスタアンプ回路をSPICE(アナログ回路シミュレータ)を利用して動作検証をやってみます。

本稿では、アナログデバイセズ社が無償公開しているLTspiceを使用しています。LTspiceは、アナログデバイセズ社のサイトよりダウンロードしてご利用ください。

エミッタ接地回路

バイポーラNPNトランジスタのエミッタ接地回路の動作を調べます。エミッタを接地し、ベースを入力、コレクタを出力とする回路です。

使用トランジスタモデル

回路シミュレーションで使用するトランジスタの物理モデルパラメータは、長い間業界スタンダードであったNPNトランジスタ2SC1815(旧名称2SC372)は既に製造廃止されていますので同等品の2N3904を使用しています。

シミュレーションファイル「エミッタ接地_基本入出力特性.asc」を参照してください。

ファイルを直にダウンロードするには、
①上記ファイルのリンカー部分を右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を実行。
②自分のPCに上記ファイルがダウンロードされるのでLTspiceをインストール済のPCであれば、ファイルをダブルクリックすれば、LTspiceが起動し、上記ファイルを読み込みます。
シミュレーション内容

バイポーラトランジスタの基本動作「ベース電流を流すと、hFE倍のコレクタ電流が流れる」をトランジェント解析(過渡解析)で確認する内容です。

バイポーラトランジスタの基本動作をトランジェント解析で確認する回路
シミュレーション結果
バイポーラトランジスタの基本動作をトランジェント解析で確認した結果

Ib=5mA時にIc=769.35、VBE=1.0065Vと出ました。

hFE=153.87と計算できます。

  • ●コレクタ電圧=5V、周囲温度(Ta=25℃)
  • ●ベース電流(Ib)を10msの時間で0~10mAにステップ変化させる。
  • ●グラフの横軸(時間軸)の数値がそのままベース電流値として読み替えられます。
  • ●コレクタ電流は、ベース電流にほぼ比例していますが、完全な直線ではありません。つまり、hFEは一定ではないことを示しています。
LTspiceでの操作方法

コレクタ電流を表示させるには、回路図上でトランジスタのコレクタ端子部分にカーソルを合わせると、矢印から電流プローブの形に変わります。この状態でクリックすれば、グラフにコレクタ電流が表示されます。