技術解説 レベルシフト回路 2
実用アナログ回路
レベルシフト回路 2
前回は、基本的な構成のレベルシフト回路を紹介しました。回路構成の自由度が高いのでリニアアンプなどの出力に付加させる場合などには便利です。
しかし、制御システム上に複数のマイコンやASICなどのコントローラが存在し、多くの本数のバス結線をしなければならない事は良くあります。この時、各コントローラの電源電圧が異なる場合には、バスの本数分のレベルシフト回路が必要になります。
しかもコントローラ間バス経路の場合、双方向での通信に使用されることが多く前回の基本レベルシフト回路一方向でしか使えず機能がマッチしません。更に回路の工夫が必要になる上、非常に多くの部品も必要になります。これでは、基板の配線本数、実装スペースも大きくなってしまい基板サイズも大きくなり現実的ではありません。
本稿では、この様に多本数のバスがある場合でのレベルシフト回路例を紹介します。
双方向バススイッチによるレベルシフト回路
異なる電源レベル間での双方向バスインターフェース接続ができる「双方向バススイッチIC」TC7WPB9307FK(東芝製)を紹介します。小型なSSOP8pinパッケージに2chの双方向バススイッチが内蔵されています。
TC7WPB9307FK 双方向バススイッチ回路例
TC7WPB9307FK 双方向バススイッチ回路基板実装例
(INEDLabratry製SSP-200)
更に多くのバスラインインターフェースに対応するICもあります。VSSOP20pinの小型パッケージに8chの双方向バススイッチが内蔵されたTC7MPB9307FK(東芝製)の使用例を紹介します。
TC7MPB9307FK 8ch双方向バススイッチ回路例
TC7MPB9307FK 8ch双方向バススイッチ回路基板実装例
(INEDLabratry製SSP-200)
8系統のバス本数のインターフェース回路ですが、非常に少ない部品、省スペースで実現できます。